RubyWorld Conference 2015 に行ってきた
RubyWorld Conference 2015 http://2015.rubyworld-conf.org/ja/
Rubyの多様性というテーマで開催された今回。mrubyなどweb以外での利用についてを取り上げた発表が多くありました。
なによりRubyをとりまくいろんな人や組織がみんな楽しそうでキラキラしていてとても素敵でした。 (Lindaさんマジ天使!)
そんなキラキラに自分も参加できていることに喜びを感じつつ、 日々の忙しさに忘れがちだった「楽しむ」ということを改めて思い出させてくれた2日間。
いつもここに立ち戻るきがするけど、まずは自分が楽しむことだな。
印象に残った講演をメモ。
1日目
『セカンド・システム・シンドローム』 まつもとゆきひろ
システムがある程度大きくなると全部一から作り直したくなる症候群。 いまよりよいものになるというのは幻想であり、作り直しはほとんどが失敗する。
乗り越えるためのポイント
- 変化を止めない
- 全部捨てない
- やさしく
- 着実に
作り直して綺麗になったところで使われなきゃ意味がない。 車のタイヤを走りながら交換することは困難だが、一から作り直すよりは成功率が上がる。
というわけで、ひとつずつ着実に改善していきましょうという話。 まつもとさんのはなしはエンジニアあるあるから入るから分かりやすいし親しみやすい。 他言語Disのユーモアも言語設計者ならではのおもしろさ。何度聞いても飽きません。
まつもとさんがいつも使ってるプレゼンツールはこれかな http://rabbit-shocker.org/
『地方の零細派遣会社を、Rubyを武器にソフトウェアハウスにかえる』吉谷 愛 (フロイデ株式会社)
ものすごく心に残る講演。 自分たちの会社と目指すところは同じだけど、アプローチが真逆だなとドキッとしました。 サイバーゼネコンの最下層からの脱却。幸せはどこにあるのかをしっかり見極めたいですね。
他の登壇者さんも話していたけど、無理矢理の導入はうまくいかない。楽しそうにしてたら自然と真似をする人がでてくる。なによりもまずは自分がやるということ。
これはほんとうにそうだなぁと思います。トップダウンで決めることはあっても、そこから広げていくのはボトムアップ。自分がそこに入って実践していくことが大事。
『台湾官公庁におけるRuby on Railsを導入する事例』Tsehau Chao (5xRuby Ltd)
5xRuby(五倍ルビー)という、Railsの教育事業などもされている台湾の会社さんからのご登壇。日本語上手。 作ったのに全く使われない施設「蚊の屋敷」に例えて官公庁のシステム開発を紹介。 要件に落とすPMに能力がないとエンジニアが苦労するけど、卍解すれば納品できますという一番爆笑を誘ったトークでした。
つらい仕事でもRubyで楽しく乗りきろうという感じが伝わってきて、こういう雰囲気好きだなぁとしみじみと実感。グチを言ってなにも変わらない毎日を送るのではなく、グチこぼしながらも工夫して改善していく。エンジニアの強みってここですよね。
2日目
『Principles of Play』Linda Liukas
2日目の基調講演はRails Girls創始者でもあるフィンランドのLinda Liukasさんのキラキラトーク。
Hello Ruby(コンピュータの基礎を子供向けに絵本にしたもの)の紹介を通じて、IT教育の大切さをお話しされました。 http://www.helloruby.com/
13歳の時、同世代がアイドルに夢中になっている頃、アル・ゴア副大統領に初恋して自分でホームページを開設したのがプログラミングを始めたきっかけだとか。
コンピュータは単なる計算機ではなく、将来はどんな問題でもコンピュータで扱うことが出来るようになる。コンピュータを使いこなし、本当の世界の問題を解く。子供達にどうやってコンピュータの概念を理解してもらえばよいか。
とにかく終始笑顔で楽しそうに語る姿は、みているだけで幸せになれました。 こういう素敵な人やものが生まれるのも、Rubyの魅力なのかなと思います。
(引用:https://twitter.com/tmtms/status/664985393880657920)
そのほかに技術系のトークもたくさんあってお腹いっぱいでした。みんなRubyを武器に価値を生み出し、イキイキと楽しそうに話されていて、ほんとうによかった。
自分たち技術者はこういうことができるんだ!やりたいんだ!楽しいんだ!ということをもっと主張していこうと思ったイベントでした。来年も行こう。